ヨガを始めてよく思うことがある。
「ある意味これはリハビリだな」と。
日頃の生活でどれだけ目に見えないギブスを身に巻きつけて、自分勝手に過ごしてきたのだろうかと感じ考えてしまう。
固まった身体に巻き付けてしまった習慣と癖のギブス然り、固まったワンパターンとなった思考のギブスなど。
身体を動かすことは本来、このギブスを見つめて、認めて、解していくための運動…というよりは思考のリハビリになるべきなのではないかと考えるときがある。
高校時代に陸上部に所属していた。
種目は1500mと3000m障害だった。
今回のパリオリンピックや前回の東京オリンピックでの女子1500m、5000mの田中希実選手や3000mSCの三浦龍司選手の活躍には他競技で金メダルを取ったどの選手よりも尊敬の念を抱いてしまう。
高2の部活中に障害の練習をしていて転倒してしまい、その時の手の着き方が悪かったため左腕の内側側副靭帯を損傷してしまったことがある。
手術を受けてギブスで固定した期間が1ヶ月間…
ギブスを外した直後は、手術傷と靭帯の癒着と固定して動かさなかった影響で肘が90度の位置から曲げ伸ばしすることができない状態になっていた。
1ヶ月間動かさないだけでここまで身体は動かなくなってしまうのかということを身を持って体感した時間だった。
そこから3ヶ月間のリハビリで、腕は日常生活に不具合がない程度には曲げ伸ばしができるようにはなった。
リハビリはかなり痛かった記憶があるが、日常生活に支障をきたしてしまうほどの問題であるからそれなりに懸命に取り組んだ。
その時は「やりたくない」とは一切思わなかった。「早く元に戻って走れるようになってやる」しか頭になかった。確か授業中もリハビリをしていた。
リハビリを終えてからも、左前腕の小指側を触れると違和感があり、それが右側の同じ部位と変わらなく感じられるようになるまでは15年ほどかかった。
ただ左腕の長さは右腕に比べると短いままで、それは今も変わることはない。
人の身体は痛めたり、長期間休んだりして衰える時間よりも、元に戻る方が圧倒的に時間がかかる。
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