老いていくと身体が硬くなるというが、それは身体の動きが硬いということだ。
動きが硬いということの要素として、まず挙げられることは関節の動きが硬いということになる。
しかし、動きに不自由さを持つ年配の方の筋肉を実際に触れてみると、
ほとんどの方が筋肉に関しては硬いというよりは弛緩した状態になっている。筋肉自体は柔らかい状態だ…というよりは弾力性が欠けたものになっている。
若い方でも、変形性股関節症と診断された人のお尻の筋肉は、症状がある側の臀部の筋肉は伸び切ったゴムのようになっしまっているのがほとんどだった。
長年ヨガを続けていると、ストレッチのし過ぎで同じような状態のお尻の筋肉になってしまう人がいる。
個人的な体験でも、右の仙腸関節を痛めたときに、梨状筋やその下の外旋筋群を触れてると、痛みのない左臀部と比べると明らかに弛緩しきった張りのない状態となっていた記憶がある。
力の入らないハムストリングスと機能をしていない臀筋となっていた。
そうなってしまった筋肉に対するアプローチは、マッサージなどの施術などによって痛みを緩和することは可能だが、それは一時的なものであり、すぐに痛みが起きてしまう。
痛みを緩和することは必要なだけであって、本当に根治治療に向かっていくには筋肉を収縮させて乳酸を生み出す運動療法が絶対不可欠だ。
そうなると、身体が老いていくことでの弛緩やストレッチをし過ぎて弛緩してしまった筋肉に対するアプローチは筋肉を伸張することよりも、収縮できるようにすることに運動を割り当てた方が効果的ということになる。
ストレッチのやり方も色々あるが、止めるところを止めないストレッチをさせているヨガはストレッチによる自律神経系統の改善には効果的だが、弛緩した筋肉をさらに伸ばしてしまうことになるので運動機能を改善していくには逆効果ということになる。
筋肉を収縮させる運動というのは慣れない人にとっては不快なものでしかない。
しかし、人間の身体機能を整えていくにはその不快さは必要不可欠だ。
コメント