ぎっくり腰①

ヨガ

ぎっくり腰の原因は大雑把に言えば、肚(精神的にも肉体的にもの意味で“肚”)が弱っているか、脚(お尻、もも裏、内腿)が弱っているか、もしくは両方とも弱っているかだと思っている。

ぎっくり腰の原因が腰椎や仙腸関節の靭帯、実は椎間板ヘルニアなどの具体的な病名があるものだったりする場合ではなく筋肉に原因が由来するものであるならば、

大体は腸腰筋(大腰筋と腸骨筋)に過剰な緊張が起きているので、その部位を弛緩させるか、伸展(伸ばす)させることで緩和は進んでいく。

実際には腸腰筋を弛緩させたり伸ばすことは難しく、なかなか出来ないからこそ、日に日に収縮と緊張が蓄積されて後々の爆発にいたる。

腸腰筋は負の感情を溜め込みやすい筋肉と言われており、日頃の精神的ストレスが腸腰筋を萎縮させて緊張させてしまう。深層部にある筋肉のため意識することは難しく、それなりの運動経験がある人にとっても難しいことが多く、知覚するためには訓練が必要だ。

腸腰筋を伸ばすのは解剖学的には「股関節の伸展」と言われる動作をする必要がある。

股関節の動きは解剖学的には、

「屈曲」•「伸展」

「外旋」•「内旋」

「外転」•「内転」

の6方向に大雑把に言えば動くとされている。

この6方向に自在にバランス良く動かせてこそ身体が柔らかいと言えるのだが、多くの人は苦手な方向というのがある。

「股関節の伸展」は解剖学的には、お尻の「大臀筋」「中臀筋」、もも裏の「大腿二頭筋」「半腱様筋」「半膜様筋」、内腿の「大内転筋」が収縮することで起きるとされている。

ぎっくり腰にいたっている人の多くはこの「股関節の伸展」が苦手か…出来ない。

そして、股関節が日常的に過剰に「外旋」と「外転」方向に働いてしまっているというパターンが多い気がする。

脚の大腿部がO脚方向に働いていて、過剰に「外旋」と「外転」の方向に臀部(お尻)の筋肉が緊張してしまい硬くなり、臀部の機能が低下している状態だ。

そういう場合には、臀部の筋肉と大腿筋膜張筋などの大腿部の外側面をマッサージや筋膜ローラーなどで緩めると同時に「内旋」と「内転」方向に脚が働けるように運動を行い強化していく必要がある。

「内旋」「内転」の機能を取り戻すには下腿(ふくらはぎ)から下の足の指先までアプローチする必要が出てくるが、その話は今回は省略。

また上半身でも僧帽筋上部や三角筋が過度発達してしまい肩が浮いてしまい、肩甲骨周りの筋肉が発達しづらく、呼吸が浅くなりがちになり肋骨周りの筋肉も萎縮したままになり「胸椎の伸展」動作が出来ないことにより「股関節の伸展」動作が十分に出来なくなることも多々起きる。

腸腰筋を伸ばせる身体になるためには、かなりの準備運動の積み重ねが必要となる。

よく後屈をする際に、股関節の伸展ができなく代償動作として腰椎を反ってしまう人がいる。

あまりやってもらいたくない動作だ。

例え、今現在に何の問題が起きてなかったとしても、長い目でみると背骨の痛みを誘発する確率が高くなる。腰椎は伸ばしたいのであって、曲げたいわけではない。

後屈をする際に、代償として腰椎を曲げてしまう人は腹筋群の筋肉が弱いか肚の感覚が鈍い可能性があるので何らかしらの方法でそれらの筋肉や感覚を身につけた方がいい。

アシュタンガヨガのプライマリーシリーズは肚の感覚(ウディヤナ•バンダ)と股の感覚(ムーラ•バンダ)を磨くのに最適だ。

その後のセカンドシリーズに入って序盤にある後屈系のポーズで「股関節の伸展」動作を身につけるためにも十分にプライマリーシリーズを行う必要がある。

その過程を大切に取り組むことで腰椎を守る機能を身体に身につけさせることが出来る。

しかし、長年アシュタンガヨガを実践するプラクティショナーでもぎっくり腰は避けられない時はある。

そんな時は、「自分はプライマリーシリーズの実践が足りないのだな」と思って「基本とは何か?」と自分に問いかけ、「出来てるつもり」や「やってるつもり」などの「つもり」から抜け出すための取り組み方と向かい合う良い機会になる。

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